先日の続きです。
前回の結果をまとめると、
・オーブン調理はかなり甘く、皮はパリパリ、水分がよく抜けていた
・石焼調理はかなり甘く、皮はパリパリ、水分がほどほどに残っていた
・低温調理後の石焼調理はねっとり感がなく、甘さが控えめでパサついていた
という感じでした。この中で低温調理の結果がかなり微妙だったので、今回はそこをもう少し検証してみます。
そもそも低温調理で何を狙ったのかというと、さつまいもが甘くなるメカニズムとして
1.さつまいものデンプンを加熱することで糊化させる
2.糊化したデンプンをβアミラーゼが分解し、麦芽糖になる
というものがありますが、この2.の工程が70〜80度程度の温度でキープするのがよいという説があったため、低温調理でその温度を保ってみたというものです。
前回の結果が「ねっとり感がなく、ぱさついていた」だったというところを見るに、そもそも糊化していなかったと思われます。なので、今回は石焼で糊化させた後、低温調理で70-80度をキープして、よりアミラーゼとの反応が進むのかを検証してみます。ちなみにこのレシピはこちらのレシピも参考にしています。
検証
石焼の準備をしましょう。
芋を洗って
こうです。
2-30分ごとに転がして
いい感じに蜜がでてきまして
皮の具合がいい感じになってきたらおっけーですね。
個別に包装して、80度で低温調理を行ってみます。低温調理を1,2,4時間行ったもの、4時間行ったものを更に石焼したものというふうに分けてみます。
低温調理時点で、蜜がサラッサラになって溢れ出しています。まったく添加物などは使用していないのですが、まるでシロップ漬けのようですね。デンプンがアミラーゼとうまく反応している証拠ということかと思います。
この大きいやつはこのあと石焼にします。
すべてを比較した結果はこんな感じです。
こんな感じ。こころなしかつかれた顔をしている気がする。
結果
さて、最終的にこんな感じになりました。右から
・石焼のみ
・低温調理1時間
・低温調理2時間
・低温調理4時間
・低温調理4時間後に石焼
といった感じです。所管は以下に示しておきます。
石焼のみ:
安定感があるおいしさ。皮がパリッとしていて十分に甘い。トロトロの部分に蜜がじゅわっとしみている
石焼後、低温調理:
水圧があるために、蜜が皮を超えて外に出てきている。さらにアミラーゼとの反応により糖になっているためか、サラッサラの蜜が目立つ。かと言って実自体もパサついているわけではなく、美味しい。液体の中にあるので皮は湿った感じになっている。低温調理時間に比例してサラサラの糖の量が増えたように感じる。
石焼、低温調理後、石焼:
皮はパリッとが戻ってきている感じだが、実が圧倒的にパサついている。おそらく、サラサラになった糖が揮発してしまっているためと思われる。これだったら石焼のみのほうが美味しい。
考察
糊化させた後に適切な温度でキープすることで、糖にすることは成功したように思える。あとは水分のコントロールが重要な模様。前回も今回もアルミホイルを使用していないが、水分の蒸発を抑えるためにはアルミホイルが重要そうなため、次回はそれを巻いた・巻いてないといった違いでの検証を行ってみたい。