肉汁爆弾

いろいろメモっていきます

自宅で石焼き芋研究の2(低温調理編)

先日の続きです。
前回の結果をまとめると、
・オーブン調理はかなり甘く、皮はパリパリ、水分がよく抜けていた
・石焼調理はかなり甘く、皮はパリパリ、水分がほどほどに残っていた
・低温調理後の石焼調理はねっとり感がなく、甘さが控えめでパサついていた
という感じでした。この中で低温調理の結果がかなり微妙だったので、今回はそこをもう少し検証してみます。

sugaret.hatenablog.com


そもそも低温調理で何を狙ったのかというと、さつまいもが甘くなるメカニズムとして
1.さつまいものデンプンを加熱することで糊化させる
2.糊化したデンプンをβアミラーゼが分解し、麦芽糖になる
というものがありますが、この2.の工程が70〜80度程度の温度でキープするのがよいという説があったため、低温調理でその温度を保ってみたというものです。
前回の結果が「ねっとり感がなく、ぱさついていた」だったというところを見るに、そもそも糊化していなかったと思われます。なので、今回は石焼で糊化させた後、低温調理で70-80度をキープして、よりアミラーゼとの反応が進むのかを検証してみます。ちなみにこのレシピはこちらのレシピも参考にしています。

www.hotpepper.jp

f:id:sugaret:20210227195847j:plain
検証用に芋は2kgほど取り寄せました

検証

f:id:sugaret:20210227131603j:plain
石焼の準備をしましょう。


f:id:sugaret:20210227131613j:plain
芋を洗って


f:id:sugaret:20210227131623j:plain
こうです。


f:id:sugaret:20210227131633j:plain
2-30分ごとに転がして


f:id:sugaret:20210227131643j:plain
いい感じに蜜がでてきまして


f:id:sugaret:20210227131652j:plain
皮の具合がいい感じになってきたらおっけーですね。


f:id:sugaret:20210227131703j:plain
個別に包装して、80度で低温調理を行ってみます。低温調理を1,2,4時間行ったもの、4時間行ったものを更に石焼したものというふうに分けてみます。


f:id:sugaret:20210227131721j:plain
低温調理時点で、蜜がサラッサラになって溢れ出しています。まったく添加物などは使用していないのですが、まるでシロップ漬けのようですね。デンプンがアミラーゼとうまく反応している証拠ということかと思います。


f:id:sugaret:20210227131741j:plain
この大きいやつはこのあと石焼にします。


f:id:sugaret:20210227131811j:plain
すべてを比較した結果はこんな感じです。


f:id:sugaret:20210227131750j:plain
こんな感じ。こころなしかつかれた顔をしている気がする。

結果

f:id:sugaret:20210227131811j:plain
さて、最終的にこんな感じになりました。右から
・石焼のみ
・低温調理1時間
・低温調理2時間
・低温調理4時間
・低温調理4時間後に石焼
といった感じです。所管は以下に示しておきます。

石焼のみ:
安定感があるおいしさ。皮がパリッとしていて十分に甘い。トロトロの部分に蜜がじゅわっとしみている

石焼後、低温調理:
水圧があるために、蜜が皮を超えて外に出てきている。さらにアミラーゼとの反応により糖になっているためか、サラッサラの蜜が目立つ。かと言って実自体もパサついているわけではなく、美味しい。液体の中にあるので皮は湿った感じになっている。低温調理時間に比例してサラサラの糖の量が増えたように感じる。

石焼、低温調理後、石焼:
皮はパリッとが戻ってきている感じだが、実が圧倒的にパサついている。おそらく、サラサラになった糖が揮発してしまっているためと思われる。これだったら石焼のみのほうが美味しい。

考察

糊化させた後に適切な温度でキープすることで、糖にすることは成功したように思える。あとは水分のコントロールが重要な模様。前回も今回もアルミホイルを使用していないが、水分の蒸発を抑えるためにはアルミホイルが重要そうなため、次回はそれを巻いた・巻いてないといった違いでの検証を行ってみたい。