肉汁爆弾

いろいろメモっていきます

ブロックチェーンゲーム考

f:id:sugaret:20190207011238j:plain

こんばんは、ブロックチェーンしてますか。僕はちょっと休憩することにしました。休憩するにあたってブロックチェーンゲームについて考えていることをまとめておきます。本当は主張を簡潔にまとめて書こうと思ったんですがまとまらず、これからもまとまらなそうなので雑にまとめます。

ブロックチェーンゲームってなんぞ?って話はまずありそうです。「ブロックチェーン技術をどこかで使っているゲーム」とすると「決済がBTCでできれば全部ブロックチェーンゲームなのか」みたいになるので、いい感じに察してください。ゲームロジックがスマートコントラクトで書かれていたり、アセットがブロックチェーン上で管理されていたりする、今流行りのやつです。

本文にはいる前にスタンスをはっきりさせておくと、ゲームが大好きだしブロックチェーンも面白そうと思っているので、ブロックチェーンゲームええやん!と思っている派ですが、オールインで飛び込んでいけるほど成功を確信できていないです。それがゆえに先行者の方々は超かっこいいと思ってますし、応援しています。超頑張ってください。

内容が間違ってるんじゃね、とかこういう視点もあるよ的なのは優しく教えていただけると嬉しいです。鋭利なまさかりが飛んできたら泣いてしまうかもしれない。特定のゲームに対して言っているわけでもないですし、個人の意見です。為念。

ブロックチェーンゲームでよく言われる特徴

なんだか色んな所でいろんな意見を見ますね、この3つに絞ってみました。

ゲームのロジックがパブリックで改変不可能になり、トラストレスに運用される

アセットがホストでなくユーザーの所持物になる

プロトコルが共通化され、コラボレーションが容易になる

一つ一つ見ていきましょう。

ゲームのロジックがパブリックで改変不可能になり、トラストレスに運用される

ロジックがパブリックになる

まずはパブリックである特徴について。ゲームにおいてパブリックなことはどういう価値を持つか。運営が言っていることと実装されている内容が一致しているかを検証することが可能になりますね。ガチャの確率も明らかになるかもしれないし、ドロップ率もわかるかもしれない。

育成ゲームなんかで全てのロジックが公開されきると最適解を探す楽しみがなくなって作業になる懸念もありますし、全てのロジックを公開することがゲームとしての面白みを最大化するのかは若干疑問ですが、出せる価値はありそう。

ロジックが改変不可能になる

改変不可能性についてはどうでしょう。実際に見るのは部分的な改変不可能性な気もしますが。キャラクターがナーフされることは許容しないが、新キャラクターが追加されることは許容するみたいな。どの程度の改変可能性までを許容できるかをユーザーが判断するような世界でしょうか。

僕はゲームロジックの全てが改変不可能で、かつ魅力的なゲームであり続けるというのは果てしなく難易度が高いと思っています。世界中を夢中にさせているfortniteやPUBG、クラッシュロワイヤルやハースストーンのようなゲームも常にアップデートが行われ、調整が繰り返されています。そのため微調整を許容するような作りが求められると思います。

個人的には、ゲームにおいては運営に変更可能性を握らせるべきだと思っています。部分的に変更不可能にするということは運営側からすると「縛りプレイで面白いゲームを提供し続けなければならない」という状態のように思えます。

そもそもプレイヤー全員が納得するアップデートを行うことは難しいと思います。しかしそのゲームがゲームとして価値を持ち続ける(ゲーム内資産の価値が暴落しない)ためにできることは、すべて選択肢として残っている状態で考えたほうが成功率は高いのでないでしょうか。その成功率が高いほうがユーザーにとってもトータルでハッピーなのではないでしょうか。

と思う一方で、ゲーム内で自分の持つ資産の総額が最大化されるのだけがユーザーのハッピーではないかもしれないので、効果的につかうと強力な場面はあるような気もしなくはないです。あんまりイメージないですけど。

トラストレスに運用される

トランザクションが恣意的に順序を入れ替えられたり、巻き戻ったりしないよね的なところを意図しています。これは実現するとハッピーそうですね。現状だと「ethereumのmainchainと互換性のあるように運営が頑張っている」という状態のものもよく見ますが、ユーザーの不満がそれほどないという噂らしいです。理解していないのか許容しているのかはわからないですが、時間の問題でいい感じに解決するのではと思っているので、特にないです。

アセットがホストでなくユーザーの所持物になる

そもそも所持しているアセットとは何なのか

特定のコントラクト上での自分のaddressに対応するmappingに確保されており、自分の署名を持ってのみ移動可能なもの。ERC721的なやつですね。このトークンの生殺与奪の権利を持っていることを「アセットを持っている」と表現していると思います。ベーシックなERC721トークンであればその特徴を表現しているのはtoken_idですね。

アセットがユーザーの所持物になってユーザーが嬉しいこと

ユーザーがゲーム外でアセットを売買することができる

今までもRMTでアカウントがヤフオクに流れているような事がありましたが、あれを堂々と行える感じですね。実際 open sea と言われるERC721のバザーみたいなサービスもあります。ユーザーにとってはポジティブなニュースに思えますね。やっとの思いで手に入れられたアセットが高値で取引されるような世界。

無限アカウント問題

しかし運営にとっては実は難しい問題だと思います。ここで重要なのは「アカウントは無数に取得できる」という点です。現状のブロックチェーンゲームでは1つのウォレットに対して1つのアカウントを作っているものが一般的に思えるためです。

どこかのアカウントで金銭的価値がつくアセットが手に入ってしまうと、それが無限に繰り返される事によって既存アセットの価値が毀損されてしまう可能性があります。リセマラでガチャを回しまくって、それを外に出して売買するようなイメージですね。あくまでイメージです。

これを防ぐ方法はいくらかあると思いますが、悩ましいです。価値あるキャラクターに到達するまでにかかる時間を長くしてもイタチごっこでしょうし、そうしてしまうと新規ユーザーに厳しいレベルデザインになるかもしれません。

ゲームを独自チェーン(あるいはチェーンですらない)で運用している場合であればIPでBANするとかの手法もありそうです。このあたりもある程度の自治は運営に任せるほうが治安が良くなるのではと思っている理由でもあります。

ゲームを盛り上げるメリットが強い

アセットが売買できる以上、アセットの所持者にとって、ゲームを盛り上げるモチベーションは高いはずです。ゲームを遊ぶ人が増えれば増えるほどアセットの需要が高まり、アセットを高額で売却できるためです。

これによってゲーム周辺の情報がいい感じにまとめられ、初心者にとっての障壁が取り除かれていったり、独自の拡張をユーザーたちが行ったりするかもしれません。いい傾向ですね。

しかし、これが度を超えるとねずみ講的な側面もありえます。絶対儲かるから今始めたほうがいいよ!みたいなこと言われ始めると、彼らが本当のことを言っているのか信用できなくなってきますね。投機の対象になりうる以上、仕方ないのかもしれないですが、ゲーム自体を面白くしたり遊びやすくする方向で盛り上がるといいですね。

ゲームが終わった後もアセットが価値を持ち続ける

まことしやかに語られていますが、本当にそうでしょうか。アセットを持ち続けられるのは正しいと思いますが、その価値は大幅に落ちてしまうと思います。そのアセットの価値はそのゲームで使うことができるからこそでしょう。

そのゲーム以外で使用できるという話はあるかもしれません。しかしパラメーター的な価値は引き継げないと思っています。なぜなら元のゲームで強かったキャラクターが別ゲームでも強かったら、その別ゲームで売り上げることが困難になると思うためです。

ゲーム開発や運用の裏にはそれを行っている人間が存在するわけで、彼らが食っていけないとゲームを遊び続けられる状態にさせることはできません。アップデートなし、かつgas代はユーザーが払うようなモデルで将棋やチェスのようなゲームをプレイさせるのであればありえるのかもしれないですが、現状ではあまり現実的には思えません。。

ただし、アセットの「パラメーター以外」の価値はあり続けるような気もしています。crypto kittiesで高額で猫が売れたニュースは希少価値を含むその「文脈」が重要だったと思っています。芸能人にもらう「サイン」とか、「サインが印刷されているノベルティ」みたいなものも近いと思っていて、あれらは芸能人が書いたという「文脈」が価値を作っているのではと考えています。

「文脈」が価値を持つことは他にも「イワヤマトンネルで捕まえて、そこから四天王まで連れ添ったイシツブテ」みたいな例でもあると思います。これを別のゲームで「フレーバーとして」表現することはあり得るかも...色合いとか名前とか...と思いつつ、何がそのイシツブテを表現するのに相応しいのかは全然答えが出ていません。

既存ゲームのアセットをブロックチェーンに乗せることはどうなのか

ブロックチェーンゲームが「どこかのチェーン内のトークンと互換性がある、独自ゲーム」の形でもユーザーから許容されるのであれば、既存のゲームのアセットもブロックチェーンに乗せていくべきなんでしょうか。実装としては実はそれほど難しくないかもしれません。

ゲーム内アセットをユーザーから剥奪すると共にチェーン上のトークンを発行し、発行したIDとゲーム内アセットを紐づけておく。そのトークンを特定コントラクトに送ると、そのアドレスの持ち主のアカウントに、トークンに紐づくアセットが付与される。みたいなことをやればいけそうな気がします。

しかし、やるべきかどうかは慎重に検討する必要があります。前述の理由で全てのアセットを外出しできるようにするだけで、運営が売り上げている金額に大きなダメージを与えてしまい、運用費と利益のバランスが崩れて運用できなくなるリスクまであります。そもそもアイテムのトレードを許しているゲームも最近は多くないように思います。

昔ながらのソーシャルゲームであれば一定のトレードを許しているものがあるんですが、ああいうものであればもしかしたら可能性はあるのかも...?と思ったりもしますがあんまりそうは思えません...

プロトコルが共通化され、コラボレーションが容易になる

これは超あると思います。どこのゲームデータも参照できるようになる世界だとしたら、特定ゲームの進捗に応じてアセットを付与するとか。別ゲームのアセットを持っている人を優遇するようなことも簡単にできそうですね。前述の理由でパラメーター的な価値をそのまま移行することは難しいと思いますが、裾野を広げる意味でかなり有用だと思います。

少しだけ気になる部分があるとすれば、勝手にコラボが行われることによるブランドイメージの毀損みたいなことは企業は気にしそうかもなーとは思いました。キティちゃんを餌にして育つゾンビゲームとか許すの?みたいな。ですがこれも時代の流れが来ればいい感じに淘汰されるような気もする。

おわりに

クソほど長くて雑な文章になってしまった。書いていて思ったけど、ブロックチェーンゲームの定義がふわっとしてて、語りたいところだけ語っている感じになってる気もする。しかし、2019年にどう進化していくのか楽しみでなりませんね。おやすみなさい。