肉汁爆弾

いろいろメモっていきます

自宅で石焼き芋研究

寒い時期の焼き芋、美味しいですよね。でもレンジ調理だと今ひとつだし、茹でてもうーん、、という気持ちだったので、一番美味しい焼き芋はどう調理したらできるのか、色々比較してみました。「一番美味しい」といったものの、「美味しい」って主観がめちゃくちゃ入るので、甘さをどれだけ引き出せているかを重要視しております。

焼き芋が甘くなるメカニズムをかんたんに説明すると2ステップで、
1. 加熱することでデンプンが糊化(トロトロの状態になること)する
2. βアミラーゼが働いて、デンプンを麦芽糖に分解する
という感じです。温度を上げすぎる(80度〜)と、βアミラーゼが失活してしまうなどがあるらしく、いかに80度程度までゆっくりと加熱できるかが勝負みたいなところがあるみたいです。関連の論文があったので文末に載せておきますので、気になる方はご参考に。


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こちら、西大井にある超蜜焼芋というお店の焼き芋でして、一切調味料を使っていないのに見た目がさつまいものシロップ漬けみたいになるというシロモノです。こんな感じの芋を目指したい。

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住宅街の中にある焼き芋屋さんでした。

pukupuku-yakiimo.stores.jp

下準備

今回は3通りの方法で芋を調理していきます。
1. オーブンでの焼き芋
2. 石焼き芋
3. 低温調理の焼き芋(低温調理後に石焼き)

ここで引っかかるのが自宅で石焼をどうやってやるねんという話ですが、園芸店やホームセンターで手頃なものを手に入れましょう。私はあんまり調べずに調達しましたが、この後でてくるサイズ感の石ではなく、1-2cmぐらいの大きさの砂利でやるのがムラなくできて良いと思います。

また、芋はすべて紅はるかで実験しております。紅はるかは半端なく甘いねっとり系の芋の代表なので、同じような系統であれば通用するのではという気がしています。

1. オーブンでの焼き芋

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芋を濡らしてクッキングペーパーを引き、200度で60分加熱します。いもの量に合わせて時間は前後させてもよさそう。


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その後キッチンペーパーで巻いて、150度で60分加熱です。


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完成品を割ったらこんな感じ。ねっとりしていてめちゃくちゃ甘いです。水分がかなり飛んで乾燥しており、砂糖菓子みたいなニュアンスがあります。うまい。

レシピはこちらを参考にしています。
cookpad.com

2. 石焼き芋

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燻製鍋が活躍しています

鉄鍋に石を敷き詰め、加熱します。水を石に垂らして、ジュッというぐらいの状態になってから芋を石の上に置きます。あとは蓋を閉めて弱火〜中火で熱し続ければok。普通の鍋だと石を置いたときに傷だらけになることや、加熱し続けることでテフロンが剥がれるなどいろいろな弊害があるかと思うので、鉄鍋をおすすめしておきます。


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15-20分ごとぐらいに芋を回転させておきましょう。まんべんなく加熱。

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蜜がすごい溢れてきます

60-90分ぐらいで皮が浮いてきたぐらいのところで完成です。


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割ったらこんな感じ。めちゃくちゃねっとり甘い。水分が程よく残っていて、プリンみたいなプリプリの食感が残ってます。甘さでいうとオーブンの方が引き立ってる感じがありますが、水分量はこっちのほうがあってバランスが取れている印象ですね。

低温調理

我らがボニークのブログにも焼き芋のレシピはあったものの、温度が比較的高い設定で書いていたので今回は採用せず、オリジナルのレシピで試してみました。
boniq.jp
ボニークレシピはこちら


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まずは70度で90分ほど加熱。なぜ70度かというと、前述のβアミラーゼが活発になる温度がこのあたりだからという仮説です。


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その後は石焼で調理。低温調理後も見た目の変化はあまりないですが、柔らかくはなっていました。石焼の調理方法は2.で説明したものと同じなので、割愛します。


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完成品を割ったものがこちら。パサパサですね。水分がなくなっているのに糊化しておらず、糊化してないのでβアミラーゼもあまり働いていないのか、甘さも一番感じづらいです。70度に到達する速度が早すぎたのか、そもそも70度がだめなのか、90分がだめなのかはわからないですが、失敗です。低温調理せずに石焼したものとこんなに変わるとは。。

結論

まだ研究の余地は多分にあるものの、石焼が手軽でめちゃんこ美味いです。まとめて焼いておいて冷凍することもできますし、びっくりするぐらい美味しいのでぜひお試しあれ。